【農業分野の岩盤規制は】
同僚の清水貴之・参院議員と行く、兵庫県内の視察。
2回目は、県北の養父市です。養父市は、農業を基幹産業としていますが、年々、人口減少と高齢化に悩まされています。
こうしたなか、3年前(平成26年)、全国で初めて農業分野の「国家戦略特区」に指定されました。
今回は、この3年の進捗状況を見に訪れたもので、まず、市役所に広瀬栄(ひろせ・さかえ)市長を尋ねました。
《農業分野の岩盤規制とは》
この3年で、市が取り組んだ規制改革。
まず、耕作放棄地をなくしていくため、市が、農地の権利にかかる事務を行えるようにしました。次いで、幅広く農業への参入を促すため、▽「農業生産法人」の設立要件を緩和したり、▽企業による農地取得を認めたりしました。
これが、まさに農業分野の岩盤規制で、これまで認められてこなかったことです。(企業の農地取得については、維新は「法で認めるべき」として、農地法の改正案を提出しています。)
広瀬市長からは、規制緩和によって、▽「耕作放棄地」を15ヘクタール以上再生させたことや、▽企業4社が農地を取得し、農業に参入したことなどの説明を受けました。
《通常業務と農業の“二刀流”に励む社員》
このあと、早速、現場を見て回り、このうち、製本会社「兵庫ナカバヤシ」では、製本作業の閑散期を利用して行われている、ニンニク栽培を見学しました。
社員は、通常の製本作業とニンニク栽培の二刀流に挑戦していて、大谷翔平投手顔負けです。現在のニンニク収穫量は30トン、来年は、70トンに増やしたいということでした。
《廃校を利用した水耕栽培》
続いて訪れたのは、オリックスが経営する「オリックス農業」。なんと、廃校になった学校の体育館を使って水耕栽培が行われています。
体育館を植物工場に改造し、外気をシャットアウトして、蛍光灯の光を当てながら、体育館内いっぱいにレタスを作っています(残念ながら内部の写真撮影は不可でした)。
《時間をかけて農業再生を》
さて、こうした取り組みですが、▽規制緩和を利用した事業の売り上げや、▽生み出した雇用なども、まだ少ないのが実情です。
これについて、広瀬市長は、「そもそも日本の農業は、補助金漬けなどを通して長い時間をかけて壊されていったのだから、取り戻すのにも時間がかかることを分かってほしい」と、早急な結果を求める考えには、苦言を呈していました。
現場を知るからこそ言える、説得力のあることばでした。各事業の成果が出てくるのはこれから。しっかりと見守っていきたいと思いました。